ベディヴィエール
先のランスロット・トリスタンより知名度的に一段落ちるベディヴィエールだが、関連する作品を探してみると案外見つかった。エルガーの劇付随音楽「アーサー王」である。ここでは劇音楽を再構成した「アーサー王組曲」の方を取り上げる。
Elgar: Starlight Express Suite (The), Op. 78 / Arthur Suite
- アーティスト: Bournemouth Sinfonietta
- 出版社/メーカー: Chandos
- 発売日: 2003/02/01
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ローレンス・ビニヨンという詩人の作になる劇本編がどのような内容だったかは定かではないが、組曲の6つの楽章「王とサー・ベディヴィエール」「眠れるエレイン」「ウェストミンスターの宴会場」「夜の女王の塔」「戦場」「アーサーのアヴァロンへの旅」という題名から、アーサー王の最期を描いた作品ということが推察される。
1923年の作というエルガー晩年の作品だが、この作曲家独特のノーブルな旋律美やオーケストレーションは健在で、一部の動機は後に未完に終わった第3交響曲にも転用されたそうなので、力の入れようが分かるというものである。最後の楽章である「アーサーのアヴァロンへの旅」の物憂い幻想的な上行二度などは押井守「Avalon」のBGM「Voyage to Avalon」を思い起こさせたり……というのは完全に思い込みですねハイ。
残る円卓のメンバーにガウェインとギャラハッドにいるが、彼らの登場するメジャーなクラシック作曲家の作品はなかなか見つからない(バックスとか取り上げたくせに……)。現代音楽も含めれば例えばハリソン・バートウィッスルのオペラ「Gawain」(1991)があるが、この作品を言葉にすることは今の自分には荷が重いので、今後の課題としたい。
Birtwistle: The Triumph of Time, Ritual Fragment & Gawain's Journey
- アーティスト: エルガー・ハワース
- 出版社/メーカー: NMC Recordings
- 発売日: 2012/04/01
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