Allegro Tranquillo

邦人クラシック、アニメ等

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン#4

備忘録として。 ガンゲイル・オンライン第4話で、主人公レンが鼻歌でムソルグスキー「展覧会の絵」の「プロムナード」を歌っていた。確かに前の回でクラシックとか映画のサントラとか聴くとはいっていたが、なぜここで? と思っていたのだが、どうやら劇中の…

交響曲「仏陀」

気付いたらもうラ・フォル・ジュルネ直前になってしまっていたので、予習のために交響曲「仏陀」を聴いた。 貴志康一:交響曲「仏陀」他/サンクトペテルブルク響アーティスト: 貴志康一,小松一彦,サンクト・ペテルブルグ交響楽団出版社/メーカー: ビクターエ…

毛利眞人『貴志康一 永遠の青年音楽家』

今年のラ・フォル・ジュルネで代表作の交響曲「仏陀」が演奏されるということで早速チケットは買い、予習のため貴志康一の伝記を読んだ。CDのライナーノーツ等から断片的に知る貴志の姿は実家の財力を背景にいきなり留学し、ベルリンフィルで自作振ったりブ…

ディルムッド・オディナ、フィン・マックール

前回に続きケルトつながりでディルムッド・オディナ。クー・フーリンの時と同様ここでもイェイツが一枚噛んでおり、アイルランドの小説家ジョージ・ムーアがディルムッドと彼に恋慕した王の妻グラニアの伝説に取材した小説をイェイツが協力して演劇化した(…

クー・フーリン

アーサー王伝説に続いて、ケルト神話ゆかりのサーヴァントの関連楽曲を探した。 ケルト神話を近代文学の題材として取り上げた立役者の一人がノーベル賞詩人・劇作家のウィリアム・バトラー・イェイツである。もちろんクー・フーリンが登場する作品も多数あり…

浜辺の歌変奏曲〜成田為三ピアノ曲全集

近衛秀麿の曲が少ないので、同じ山田門下で近衛ともからみのある成田為三のピアノ曲集を聴いた。 成田為三:ピアノ曲全集アーティスト: 白石光隆,成田為三出版社/メーカー: キング・インターナショナル発売日: 2007/02/21メディア: CDこの商品を含むブログ (4…

ベディヴィエール

先のランスロット・トリスタンより知名度的に一段落ちるベディヴィエールだが、関連する作品を探してみると案外見つかった。エルガーの劇付随音楽「アーサー王」である。ここでは劇音楽を再構成した「アーサー王組曲」の方を取り上げる。 Elgar: Starlight E…

トリスタン

トリスタンといえば、クラシックファンがまず思いつくのはワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」。オペラ全曲はとてもじゃないけど見たことがなくて、前奏曲しか聴かないけど。前回、ショーソンの「アルトゥス王」をワーグナーっぽいと書いたけれど、本…

越天楽

近衛の曲ということで代表作である「越天楽」を聴いた(細かいことをいえば編曲だが)。本当は「大礼交声曲」を聴いてみたかったが、ロームのSP音源復刻しか存在しないようだ。歴史的音源にはあまり興味がないので……。 日本管弦楽名曲集アーティスト: 外山雄…

大野芳『近衛秀麿 日本のオーケストラをつくった男』

日本最初期の作曲家に続き、日本最初期の指揮者ということで、近衛秀麿の伝記を読んだ。 近衛秀麿―日本のオーケストラをつくった男作者: 大野芳出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/05/19メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (17件) を見る…

ランスロット、モードレッド

円卓つながりで、次はランスロットとモードレッドが登場するショーソンのオペラ「アルテュス王」(1886〜95)。 Chausson : Le roi Arthusアーティスト: Gösta Winbergh, Gérard Friedmann, René Massis, Gilles Cachemaille, Gino Quilico, François Loup, …

日本の吹奏楽Ⅴ 大沼哲作品集

大沼の曲を聴いてみようとしたのだが、現在入手可能なのは吹奏楽のこれ1枚だけらしい。山田があれこれ取り上げられていることを思うと悲しい。 軍楽隊とともに歩んだ…日本の吹奏楽5 大沼哲作品集アーティスト: 吹奏楽,陸上自衛隊中央音楽隊,船山紘良出版社/…

宮内孝子『作曲家大沼哲の生涯』

山田耕筰に続いて、同じく日本最初期の作曲家・大沼哲の伝記を読んだ。山田に比べて知名度の低い大沼だが、ほぼ山田の独壇場だった大正時代のクラシック作曲界において数少ない山田のライバル的存在だった。もっとも後述の通り、本書におけるライバル的描写…

アルトリア・ペンドラゴン、マーリン

世間の流行りということでFGOをポチポチ遊んでいるが、世界の神話やら伝説やらが集うこのゲームは、クラシック音楽の題材とも近しいのではないかとふと思った。そこで、サーヴァントを扱った、あるいは関連する題材の曲を探して取り上げてみたい。 最初はFat…

津原泰水「エリス、聞えるか?」と第3交響曲

山田耕筰のことを書いていたら、ふと以前読んだ小説で日本人の交響曲が登場する話を思い出したのでメモしておきたい。『NOVA+ 屍者たちの帝国』(2015)収載の津原泰水「エリス、聞えるか?」である。 書き下ろし日本SFコレクション NOVA+:屍者たちの帝国 (…

交響詩「暗い扉」・「曼陀羅の華」

前回のCDの残り2曲について。 交響詩「暗い扉」(1914) ベルリン留学中に書かれた日本最初の交響詩。王立音楽院の課題としてアカデミックな書法を求められた序曲・交響曲と異なり、当時の山田の関心の対象だった後期ロマン派的な響きや大規模な管弦楽を存分…

弦楽四重奏曲第2番、序曲、交響曲「かちどきと平和」

本を読んだところで、実際の山田の楽曲を聴いてみる。 弦楽四重奏曲第2番(1908) 東京音楽学校時代に作曲された4つの弦楽四重奏曲の1つ。後藤の本では、山田が友人の多久寅らと結成した多カルテットのために結成したとも、和声の学習のためヴェルクマイスタ…

後藤暢子『山田耕筰』

山田耕筰: 作るのではなく生む (ミネルヴァ日本評伝選)作者: 後藤暢子出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2014/08/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 『山田耕筰作品全集』の編纂に関わった山田耕筰研究の第一人者による評伝。山田…